「全台系」や「全台形」というキーワードで訪問してくれている方が多いので、今回は全台系について解説します。
パチスロの取材イベントで「全台系」や「全台系投入」などキーワードが出てきますので、具体例を挙げて説明します。
その後で実際に全台系になりやすい機種を見ていきましょう。
- 公約内容は独自に調べたものです。
- 公約はイベント媒体が保証しているものではありません。
- 悪質な店舗では公約を守らないケースがあります。
全台系とは?
全台系とは、特定の機種や列などの全台を高設定にする設定方法です。
例えば、ある店舗にイニシャルDが5台あったとすると、その5台すべてが高設定になります。
基本的に設定④以上が高設定ということになっていますが、お店の方針や後述する取材イベントの公約によっては設定⑤以上や、設定⑥のみ(全⑥という)など設定の入り方にバリエーションがあります。
どうしてそんなことをするのかというと、高設定を投入するお店であることをアピールすることが目的です。
5台あるイニシャルDが全てメダルを山積みにしていればインパクトがあるため、必ず来店したお客さんたちの目に留まります。
店内でバラバラに高設定を入れても「たまたま出ただけ」と捉えることもできますが、5台全てが出ていれば「偶然ではなく全台系だ」と伝えることができるのです。
それが7月7日だったりすれば、お客さんたちは「来年の七夕も高設定が入る」と期待して来店してくれるかもしれません。
これが1機種だけではなく、2機種や3機種に全台系を投入すれば、お客さんに大きなインパクトを与える効果が期待できるのです。
全台系の投入パターン
全台系の具体的な設定は④か⑤か⑥のどれかが選ばれます。パチスロ業界では設定④までが高設定とされているので③以下は使いません。
そして、全台系にはいくつかのパターンがあります。
⑥⑥⑥⑥⑥⑥
⑤⑥⑤⑥⑤⑥
④⑤⑥④⑤⑥
他にも全ての台を設定④や⑤にする“全④”や“全⑤”にするケースもありますが、全④ではどうしても勢いに欠けるためイベントでは全④にすることは稀です。
お店の設定担当者は与えられた予算に収まるように、機種ごとの機会割や確定演出・設定判別のしやすさなどを考慮して④⑤⑥の配分を決めています。
全台系の探し方
平常時に全台系が投入されることはありません。大きなインパクトを与えることができますが、同時にお店の利益も減ってしまいます。
そこで、お店の設定担当者は「投入するのであれば効果的に使いたい」と考えています。つまり、多くの来店を見込める日に他なりません。
- グランド&リニューアルオープン
- お店の定期イベント
- 取材イベント
順を追って説明しましょう。
グランド&リニューアルオープン
グランドオープンやリニューアルオープンは言うまでもないでしょう。
昔からオープン後3日ほどはパチンコもスロットも甘くなるので多くのお客さんが集まってくれます。
当然、この3日間は赤字になることが多いのですが、これは広告費のつもりで初めから予算を割いています。もちろん、全台系が投入されるケースも少なくありません。
お店の規模や、設定担当者の方針にもよりますが、高設定をバラバラに入れるよりもアピール度の高い全台系の機種を用意したいはずです。
広告費を使うのであれば、より多くのお客さんに来店してもらって、メダルが山積みになっているところを目撃して欲しいと考えています。
ただ、パチンコ業界への規制が厳しくなっているので、お店は「明日、全台設定⑥を2機種入れます」とか表立って言うことができません。そこでイベントが活躍するのです。
お店の定期イベント
お店によって7の付く日(7日・17日・27日)やゾロ目(11日・22日)など定期イベントを設けているところがあります。また、3月3日や5月5日などもゾロ目として扱われることがあります。
国道23号沿いにあるお店が毎月23日を定期イベントにしているというケースもありました。
これは特定日(旧イベント日)と呼ばれたりもします。
規制が厳しくなる以前から定期イベントを実施しているお店であれば、地元の常連さんたちに浸透しているので、特に告知をしなくても開催し続けることができます。
ただし、この定期イベントは地元のお客さんたちに浸透していなければ誰も集まってくれません。
そこで、後述する取材イベントというものが開催されるようになりました。
取材イベント
現在、最もポピュラーな集客方法で、多くの取材イベントが開催されています。
パチンコ業界の規制があり、お店は「明日はイベント日です!」と言えないので、イベント会社がお店の代わりに告知するのです。
「〇月〇日、□□秋葉原店へ行きます!ガッツリ出しているか取材してきます!」と告知します。
単に「イベント」と呼ばずに「取材」が付くのは、こういった仕組みからきています。
もちろん、イベント会社が勝手に取材へ行くわけではありません。事前にお店と連絡を取り合っているので、お店はイベント日を知っています。
また、イベント会社は取材イベントに公約というものを設けています。例えば、全台系の公約、並び系の公約、機種を指定した公約など様々なバリエーションがあり、イベントの名前やロゴマークなどで公約の内容を示唆するのです。
具体例を挙げると、アツ姫ならオルトロス系、DMMぱちタウンなら双龍系などが全台系のイベントです。
取材イベントの公約が全台系ならお店の設定担当者はその日に全台系を入れる必要があり、もしルールを破ればSNSで「ガセイベント」と拡散されてお店の信用を落とすことになります。
全台系になりやすい機種
お店が全台系を投入する際に悩むのが機種選びです。
全ての台が高設定になるので台数が多過ぎるとイベントの予算をオーバーしてしまいます。かといって予算をケチって不発に終われば効果が得られないので悩ましいのです。
参考までに私が設定を担当していた当時に選んだ機種は、
- ライバル店も置いている機種
- 設置台数が4~8台位
- スペックが高過ぎず低すぎない
- 設定判別が容易
上記の条件を満たすように機種を選んでいました。
ReゼロやコードギアスR2ccは早い段階でヘビーユーザーにバレてしまうので午前中からブン回されることになりますが、お店側としても「どんどんブン回してください」と思っているのでイヤな行為ではありません。
ギアスは差枚数も出ますし、お客さんからも好評でしたので何度か全台系に利用しました。設定担当者のこのような考え方は6号機でも変わりません。
お客さん側からすると、設定判別の要素は盲点になるかもしれません。お店側としては高設定を使っていることをアピールしたいので、高設定の確定演出が表示される機種は積極的に選びたい心理が働きます。
私がプライベートでスロットを打っていて設定⑥の確定演出が出たら写真を撮りたくなりますし、友達に見せたくなるはずです。Twitterで「〇〇秋葉原店で⑥をツモった」と良い口コミが広がれば、設定担当者としては狙い通りの展開です。
“高設定の証拠を見せる”ことも設定担当者の狙いになっているので、分かりやすい確定演出や、確定演出の表示されやすさも投入したくなる機種になります。
全台系の狙い目
最近の6号機でいうとまどマギ叛逆、バイオ7、イニシャルDあたりが全台系の取材イベントで選ばれる傾向があります。
次に挙げるとすると、政宗3、吉宗3、アラジンAクラッシク、チバリヨあたりが選ばれやすくなっています。
また、毎回同じ機種だとすぐにバレてしまうので、あえて人気の劣る機種で裏をかくこともあります。最近では、うまい棒とかガメラ、ケロットなどが選ばれる傾向があります。
全台系になりにくい機種
反対に全台系になりにくい機種の特徴は、
- 設置台数が多い
- 機械割が高い
このような機種は高設定を入れにくいので全台系の対象外となります。
私がパチンコ店に勤めていた頃の話で恐縮ですが、5号機のバジリスク絆や番長3、ミリオンゴッド凱旋などは想定以上に出てしまうことがあるので設定担当者からすると怖くて入れにくいのです。
6号機になって、設定⑥のアベレージが下がっているとはいっても、バジリスク絆2や番長ZEROは人気があるので設置台数の割合が高くなっています。この2機種に関してはよほど予算がないと全台系には選びにくいといった事情があります。
実際の開催データを見ると、6号機はどの機種でも全台系の対象になっているようですが、バジリスク絆2や番長ZEROのように設置台数の多い機種は全台系ではなく、並び系(3台並び等)の取材イベントで選ばれやすい傾向がありました。
全台系を狙うのであれば、機会割が高過ぎない設置台数が5台程度の機種が狙い目です。
ジャグラーの全台系
また、設置台数の多いジャグラーシリーズは対象外です。
ジャグラーシリーズはどこのお店でも人気の機種で、設置台数も多くなっています。上記で述べたようにジャグラーは選びにくい機種になります。
特にアイムジャグラーEXを一番多く設置しているお店も少なくありません。こういった機種は全台系ではなく、並び系の取材イベントで選ばれやすくなります。
ただ、設置台数の少ないファンキージャグラー2あたりなら対象になることもあるのでお店の規模にも左右されます。
ファンキージャグラー2なら、心配するほど機会割は高くありませんし、設置台数が5台ほどのお店であれば全台系に選ぶことも可能です。
マイジャグラー5になると、店内で2,3番目に多いお店も多いはずで、この機種はちょっと選びにくくなります。
これも全台系ではなく並び系などのイベントで選ばれやすい機種になります。
翌日の全台系はどうなる?
「イベントの翌日に全台系の機種って回していいの」と質問を受けたことがあります。据置(すえおき)になるかという内容です。
据置とは、設定を変更せずに翌日も同じ設定で営業する台を指します。設定の高い低いは関係ありませんが、主に高設定の台を据置にするかどうかが話題になるキーワードです。
細かいことをいえば、設定を変えずに設定を入れ直す裏ワザのようなこともありますが、ことでは「全台系の台を翌日に据え置くかどうか」の話しだと思ってください。
私の経験では、基本的に全台系の台は据置にはしません。全台系の台は、ほぼ丸一日回されているため機種によっては設定が見抜かれています。
通常の営業で据え置くことはありますが全台系の台は全て設定を変更していました。これは他の設定担当者も似た対応をすると思われます。
全台系の中で、一台だけ反ってしまった設定⑤があれば、あえて据え置いても良いかもしれませんが、ガッツリ伸びた設定⑥は100%変更していました。
元スロット店員の経験として、あなたの立ち回りの参考にしてください。
全台系のイベント
当ウェブサイトでも紹介していますが、多くの取材イベントがあります。
開催頻度やイベントの熱さも様々ですが、アクセス数の多い人気の全台系イベントを紹介しておきます。
ドリスロの全台系
2022年の初夏あたりから人気が急上昇している取材イベントです。
ドリスロは公約が4つしかありませんが、それが強みに働いているように感じます。分かりやすい上に、取材結果を公表しているのでガセイベントを抑止することにもなっています。
老舗イベント会社の中には「使い捨てイベント」と思えるイベントもありますが、2022年現在のドリスロは4つしかないので使い捨てはできません。
店舗側には公約を守らせて、自分たちも公約を使い捨てにしないといった意図が伺えます。
アツ姫の満天スターZeal系
アツ姫は多くの取材イベントを抱えていて開催数も多く、当サイトでも多くのアクセス数があります。
満天スターZeal系以外にも、ライラプス系やオルトロス系のイベントもありますが、オススメは満天スターZeal系になります。
アツ姫の取材イベントは公約を守らなくてもペナルティがないため、どうしてもガセるお店が出てしまうデメリットがあるのです。
また、取材結果をきちんと公表しないイベントもあるため、どうしても信頼性に欠ける傾向がみられます。
その点、満天スターZeal系はアツ姫の公式サイトで取材結果を公表しているので、信頼性の担保に繋がっています。アツ姫としてもイベントの信頼性を上げることの価値を重視してきた印象もあります。
スロパチステーションのいそまる・よしき来店
スロットの取材イベントの中では1,2を争う信頼度を誇り、よほどの初心者でなければ誰もが知る人気のイベントです。
しかも、全台系+分岐営業というオプションが付くため、外れを引く確率も下がるので非常に熱い内容になっています。
イベントの開催時には、お店側へ公約を守るようにプレッシャーがかかりますし、公約を守らなければペナルティがあります。
過去の開催データを見ると、数年前よりも信頼性が下がってきているように感じる点はありますが、それでも最強クラスのイベントである点は間違いありません。